世界的な不況や環境破壊など、未来への不安を抱えた現代――。私たちは、心の癒しを、いにしえの人々が祈りを捧げたものに求めることはできないでしょうか。
古人は神仏を信仰することで、心の平安を得ていました。日本人は、神道とならんで、仏教を長らく信仰してきました。その歴史は、6世紀の仏教伝来から現在にまで至ります。
仏教では、信仰の心を込めてさまざまな「かたち」が作られました。穏やかなあるいは力強い姿の仏像、仏教の世界観を描いた仏画、教義思想を荘厳な文字で記した経典――。今も人々の心をひきつけてやまぬそれらは、現代においては「文化財」という視点から守り、次世代に伝えていくことも大切となっております。
本展では、諏訪市の寺院から指定文化財を中心として寺宝をご出品いただき、諏訪の方々の祈りの心を伝える文化財約30件を展示いたします。