当館の「服部一郎記念室」では、セイコーエプソン及びセイコー電子工業(現セイコーインスツル)元社長の服部一郎(1931-1987)が、その眼で選び、こよなく愛した作品の数々を順次ご紹介しております。この度は、20世紀の絵画における色彩の魅力に注目し、画家たちの色彩にかける情熱とその軌跡をたどる企画展「色彩の瞬き」を開催いたします。
19世紀、写真の発明と普及のなかで、自らの存在意義を問い直された画家たち。以来、彼らの表現は、写実的なものから、自らの感性に基づいたより芸術的な表現の追求へと向かいます。そのなかで、色彩への関心は高まり、色彩は明るくエネルギッシュに瞬き始めたのです。
本展覧会では、印象主義の画家ルノワールをはじめ、それに続く新印象主義のシニャック、マルケやドンゲン、デュフィなどのフォーヴィスムの画家たち、また現代フランス画壇の巨匠ポール・ギアマンの作品を特集展示いたします。多彩な表現のなかに、画家たちの色彩にかける情熱を感じ取っていただけましたら幸いでございます。