260年余りにわたって続いた江戸時代は、泰平の世とうたわれています。この時代は公家や武家だけでなく庶民も文化の担い手となり、きら星のごとく個性豊かな芸術家たちが現れました。なかでも装飾性豊かな作風が特徴である琳派は、今も多くの人々に愛され続けています。
本阿弥光悦や俵屋宗達を祖とした琳派は、桃山時代末期から江戸時代初期に京都の地で花ひらきました。彼らは日本で古くから親しまれている文学や美術を題材に、大胆な構図ときらびやかな色彩の作品を生み出しました。その斬新な意匠は、尾形光琳、酒井抱一といった後世の芸術家たちにも大きな影響を与えています。
人々の心を捉えて離さない琳派の作品とはどのようなものなのでしょうか。本展では「私淑」「古典」「装飾」「草花」の4つのテーマから、江戸時代を鮮やかに彩った琳派の魅力に迫ります。