サンリツ服部美術館の服部一郎記念室では、1995年の開館以来、服部一郎(1932-1987)が収集した作品をご紹介して参りました。この度はそのなかから、人物を描いた作品を中心にご紹介いたします。
社会生活を営む人間にとって、自分や仲間の姿を何かにとどめたいと言う気持ちは、ごく自然に発生したものであったのでしょう。遥か昔から、人の姿は石に刻まれたり、土で形づくられたり、ものの上に描かれたりしてきました。現代では彫塑や絵画以外にも写真や工芸、インスタレーションなど実に多様な表現方法がありますが、人物を描いた作品が私たちにとって非常になじみの深いジャンルである事に変わりはありません。
本展の第一章では、その人を象徴する顔、なかでも目に焦点を当てて人物などを描いた作品を紹介します。第二章では、物語を感じさせるような様々な人物が描かれた作品を展示いたします。
コロナ禍で直接顔を合わせる機会が減っている今の時代に、本展を通じて、親しい人々へ想いを馳せていただければ幸いでございます。