江戸時代を通じて、茶人たちは、その当時を代表する絵師や陶工と交流を深め、茶の湯をリードしてきました。茶の湯が当時の「現代アート」の中で果たした役割は無視できません。本展覧会では、江戸時代に焦点をあて、茶人と絵師や陶工が展開した美の変遷をたどろうと試みます。
第1章では、江戸初期の屏風と個性的な造形で知られる織部焼を展示いたします。
第2章では、小堀遠州・松花堂昭乗・江月宗玩・金森宗和を中心に、江戸初期の茶の湯の中心となった茶人たちと、彼らと交流した画家や陶工が作り出した作品をご紹介いたします。
第3章では、今年生誕250年を迎えた酒井抱一と兄の姫井藩主・酒井宗雅、そして松平不昧の親交に焦点をあてて彼らにゆかりのある作品を展示いたします。
江戸300年の間に作られてきた時代ごとの美意識を、茶道具や絵画から感じ取っていただければ幸いです。