現代では、文章を書くといえばパソコンのキーボードを使うことが多くなりました。しかし、手で文章を書く機会は決してなくなったわけではありません。その意味において、書の芸術は本来は私たちの身近な存在であるはずなのです。
この展覧会では「人はどのようなときに言葉を書くのか」、そして「それをどのような書体で書いていたのか」という観点から四章で構成し、奈良時代から江戸時代までの筆跡をたどります。
親しい人へ送った手紙に始まり、和歌を詠んだ色紙や巻物の断簡、禅僧たちが残した墨蹟、さらには仏教経典を書いた巻物など、サンリツ服部美術館が所蔵する書の作品からおよそ三十点をご紹介します。