この度、サンリツ服部美術館は茶道具に付属する名物裂をご紹介するコレクション展を開催いたします。約20点の作品に付属する名物裂を前後期合わせておよそ80点公開し、名物裂の歴史とその美に迫る展覧会です。
名物裂とは、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて日本へ舶載された染織品のうち、名物の茶道具の袋や仕覆として用い、珍重してきた絹織物を指します。金糸が華やかな文様を表す金襴、なめらかな光沢が美しい緞子、縞模様が目に楽しい間道、重厚な文様を持つ錦がその代表で、中国の元・明・清時代のものが中心です。
桃山時代の日本の茶会記には染織品に対する記述はさほど多くありませんが、時代を追うごとに次第に名物裂を命名・分類していくようになります。
今回の展示では、印金・金襴、緞子、間道、錦、そして木綿の名物裂ともいえる更紗の5章で構成し、代表的な名物裂をご紹介いたします。
名物裂とは何か。なぜこれほどまでに名物裂は増えていったのか。その歴史を探ります。