この度、サンリツ服部美術館は鎌倉時代から江戸時代初期にかけて日本が輸入し、茶道具として用いた中国・朝鮮・東南アジアの品々をご紹介する展覧会を開催いたします。
中世の禅宗寺院が収集した唐物(中国産)は室町時代に足利将軍家の収蔵品となり、最高級の茶道具として桃山時代の茶人たちへと渡りました。茶人たちは侘茶の気運が高まると、唐物の他に高麗物(朝鮮半島産)を茶道具として取り上げます。さらに江戸時代には南蛮物(東南アジア産)も加わり、茶の湯の道具は一層多様化していきました。
展示の第1章では、禅宗寺院から足利将軍家へと引き継がれた南宋から元時代の唐物、第2章では桃山時代の町衆の茶人たちが愛でた高麗茶碗を中心とする高麗物を、そして第3章では江戸時代初期の大名茶人たちが輸入した明から清時代の陶磁器や、南蛮物と呼ばれた東南アジアの品々をご紹介いたします。
茶の湯の美術を支えた渡来の茶道具とそれらを選び取った茶人の美意識の変遷をご覧ください。