この度は服部一郎コレクションより、フランス近現代絵画の名品をご紹介いたします。
当館の近現代絵画コレクションは、セイコーエプソン元社長である故・服部一郎が、多忙な日々の合間をぬって蒐集したものです。そのコレクション中には巨匠と呼ばれる画家の作品があり、また、愛にあふれた明るい画風を貫く同世代の画家もありました。カンヴァスに展開する美の世界は、怱忙たる企業人であった服部一郎がいっとき心を休めるよすがともなったことでしょう。
第一章「名品に出会う」ではコレクションの中でも20世紀に活躍したフランス美術界の巨匠の作品をご紹介します。オディロン・ルドンやオーギュスト・ルノワールらの名品は、コレクター・服部一郎の確かな審美眼の証となっています。第二章「慕わしい人と風景」では、コンスタンタン・テレスコビッチを中心とした、愛らしく暖かい作品世界をご覧いただきます。第三章「色彩の世界に遊ぶ」では、とりわけ服部一郎が好んだ色彩の魔術師、ポール・ギアマンを特集します。
本展を通じて、服部一郎が高い見識を持って接し、見いだした、暖かな美の世界をお楽しみいただければ幸いです。