この度は服部一郎コレクションより、『音楽』をテーマに作品を選び、近現代絵画の名品をご紹介いたします。
リズムとは主に音楽の分野で使用され、速いリズム、遅いリズムというように、音の時間的な変化を指すことが多い言葉ですが、絵画の分野でも、形の大小や、色の強弱、明暗などを形容する際に、しばしば使われます。
本展では絵画作品にあらわれる形と色のリズムに着目し、また踊りや時計など音を感じさせる画題を描いた作品をとりあげます。とりわけ音楽一家に生まれ、常に音楽を画題にとりいれたデュフィが注目されます。ジャンセンの描く踊り子や、ボーシャンの描く村の祭りの光景からは、それぞれの絵の奏でる旋律が聞こえてくるでしょう。
人間にまだ文字のない時代から、音とリズム、そして絵は生活に深く根付いたものでした。静止した画面から感じられる躍動的な動きや、作品それぞれの発する旋律ををお楽しみください。