サンリツ服部美術館の服部一郎記念室では、セイコーエプソン初代社長の服部一郎が収集した作品を順次公開しております。この度は、その中から色彩に注目した展覧会を開催いたします。
絵画にとって、色彩は大変重要な要素です。画家たちは目に見えるものの色を画面上に再現するだけではなく、立体感や遠近感を表したり、場面をより印象深くみせるために、色の明るさや鮮やかさ、配置の工夫をしてきました。20世紀以降は現実世界の対象を画面に正確に写し取ることがそれほど重視されなくなったこともあり、絵画の中の色彩は画家の手により、一層自由に操られるようになります。
本展覧会では、コレクションの作品を、色の使い方に注目して展示致します。画面のある場所にその色を置くことによって、作品にどのような効果が及ぼされるのか。本展示が作品により深く親しみ、楽しんでいただくための一助となれば幸いです。